糖尿病

定期的な人間ドックの勧め

糖尿病は早期発見が重要と言われていますが、残念ながら自覚症状がほとんど無いため、早期発見できるケースは、そう多くはありません。中には昏睡状態を起こして病院に運ばれてから糖尿病だと分かる場合も有ります。そこで重要なのが検査によって早期に発見することです。自覚症状が無い以上、残るは検査というわけです。糖尿病の検査はまずは空腹時の血糖値を測る事によって異常の有無を調べ、異常だと判断したら病院で確定診断のための検査を受けることになります。

しかしここに落とし穴がありました。前記のような検査を行う、定期健康診断などでは捉えられない糖尿病があったのです。これがいわゆる隠れ糖尿病です。隠れ糖尿病は糖尿病といってもまだ本格的な糖尿病とは言えず、インスリンの効き目が悪くなってブドウ糖が細胞に吸収し難い状態になったところで、まだ膵臓に影響が出ているわけでは有りません。このため吸収が悪いとは行っても空腹になるまでには高血糖の状態は解消されてしまいます。

このため空腹時の血糖値しか測らない現在の健康診断などでは、この異常は捉えることが出来ません。もしこの異常を捉えることが出来た場合、日本の糖尿病患者数は倍になると言われています。しかしこの隠れ糖尿病は、将来糖尿病に進行することが予想されるため、別な検査で捉える必要が有ります。この検査は空腹時ではなく食後の血糖値を測って、これがどのくらいの時間で正常値に戻るかを診るものです。そのためには病院に行って検査を受ける必要が有ります。

しかし考えてみれば分かりますが、健康診断で正常と言う結果が出たものを、更に病院に行って検査してくれと言う人は極めて少ないでしょう。そこで毎年とは言いませんが数年に1度は受けて欲しいのが人間ドックです。糖尿病に限定してしまうと、健康診断で正常ですから受ける気になりませんが、健康診断では受けられないその他様々な病気の検査を受けると言う理由付けがあれば、受けても良いと考える人は多いと思います。

人間ドックは健康診断と違い、それなりに費用がかかりますので、万人にお勧めと言うことでは有りませんが、職場や自治体で行われる定期健康診断などでは検出が難しいざまざまな病気があること、糖尿病も健康診断だけで検出できるのは半分しかないと言うことを忘れてはいけません。したがって人間ドックだけとは言いませんが、何らかの形で検査を受けることが出来るようにしたいものです。健康診断も受けたことがないという人は、死に急いでいるとしか言えません。すぐに受けに行きましょう。

絶対必要な定期健康診断の受診

食事療法が糖尿病に効果が有るメカニズム

糖尿病になるとまず行わなければならないのが食事療法と運動療法と言われています。なんとなく食べ過ぎて運動不足になれば、体に悪いことは分かりますが、糖尿病になってしまったときになぜ食事療法が効果的なのかを考えてみることもなく、どのような機構が働いて、糖尿病の症状が改善されていくのかまで納得して食事療法を行っている人はほとんどおらず、ただ医師の指示でしょうがなく味気なく満腹感も少ない食事をしているだけだと言う人が多いのではないでしょうか。

糖尿病はもともと生活習慣病と言われていますが、生活と言うのは食事によって取ったエネルギーを使って、仕事や遊びなどのいわば運動を続けることです。したがって食事によって摂取したカロリーと、運動によって消費したカロリーが同じであれば何ら問題は無いわけです。若いときは基礎代謝が大きいため、容易にこの状態を保っていられますが、年をとっても同じような生活習慣を続けていくと、基礎代謝が下がってきますので、その分のカロリーは消費されることが有りません。

このため食事と運動が不均衡になり、摂取した食物が余分なものとして体内に残されます。それが続くと細胞内に脂肪が溜まるようになり、これが進んで肥満の状態になります。通常、糖分はブドウ糖の形で血液中にあり、インスリンによって細胞内に取り込まれますが、脂肪の溜まった細胞からはインスリンの働きを促す物質が出されなくなり、逆にインスリンの働きを抑える物質が出されるため、インスリンの数は揃っているのに働かない状態になります。

この状態になると血液中のブドウ糖濃度が高くなっていくため、インスリンの分泌を促す指令が膵臓のβ細胞に出されインスリンを生産し続けますが、これを続けるとβ細胞が疲弊しインスリンの生産量が落ちるどころかβ細胞が死に初めて糖尿病を発症します。したがって食事療法によって食物の摂取量を減らすことでブドウ糖を減らし、細胞内の脂肪を消費させることによってインスリンの働きを元に近づける事ができ、糖尿病の症状を改善させることができます。

これが食事療法が糖尿病に効果があるメカニズムです。糖尿病は自覚症状に乏しいため、なんで食事療法なんてしなければならないのかと疑問を持つ人もいるかと思いますが、前記のように体内では大変深刻な状況になっていることを忘れてはいけません。このままβ細胞に負担をかけ死んでしまう数が増えると食事療法と運動療法だけでは済まず、薬物療法も行わなければならなくなってしまいます。深刻性を理解して、食事療法に真剣に取り組むことが必要です。

糖尿病が動脈硬化を起こすメカニズム

糖尿病になると体中に様々な影響が出てきますが、この大きな原因として糖尿病による動脈硬化が挙げられています。糖尿病を発症したときになぜ動脈硬化に至るのかそのメカニズムを知っている人はそういないのではないでしょうか。糖尿病でなくても動脈硬化を起こすことはありますが、糖尿病を発症している人は普通の人に比べ6倍程度発症率が高まると言う統計もあり、様々な合併症の原因となっている動脈硬化自体が糖尿病の合併症と考えても良いでしょう。

動脈硬化は、高血糖状態の血液が血管を流れるとコレステロールが血管壁に沈着し血管壁が硬くなって柔軟性を失ってしまうことから発症します。末端の細い血管では塞がってしまい、その先にある臓器などに影響が出ることになります。たとえば虚血性心疾患である狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などがこのタイプの病気です。太い血管においても同じようにコレステロールが溜まって行き血流を流れにくくしています。これが動脈硬化のメカニズムです。

動脈硬化は糖尿病だけでなく高血圧や高脂血症によっても発症しますが、この3つの病気は複雑に関係しあっているため3つとも発症している人も少なく有りません、この場合これ等はそれぞれが発症していない場合に比べて6倍程度動脈硬化の発症の可能性を高めますので、相乗効果で動脈硬化がスピードを上げて進んでいくことになります。まずどれかに発症したら良く調べて、自分のおかれている状況を確認し、その後の治療方針を医師と考える必要が有ります。

逆に考えればこれ等のうち1つをコントロールして影響を少なくしておけばそれだけ大きく発症確率を減らせると言うことです。この3つの病気はなかなか完治ということにはなりませんが、それぞれうまく治療をすればコントロールすることは可能です。どれも生活習慣が大きく関わっていますから、治療は生活習慣の見直しを意味し、非常に苦しいものになりますが、動脈硬化を呼び起こし、様々な合併症を発症させてしまうよりもずっと楽では無いでしょうか。

糖尿病にしろ、高血圧や、高脂血症にしろすべて定期健康診断や特定診断(いわゆるメタボ診断)を受診していれば必ず検査する項目です。ですから年1回これらを受ける事によって症状が悪化して動脈硬化が進んでしまう前に、治療に入れる事になります。もしそんな検査は受けたくないと言う人は、将来病気に苦しむ可能性を排除できません。どうしても行きたくない人は、最近では血圧計もすぐ手に入りますし、自宅で出来る検査キットも販売されていますので、まずはそれを使ってみても良いのではないでしょうか。