糖尿病

糖尿病患者の食事療法のための糖尿病食とは

糖尿病を発症してしまったら、すぐに治療を始めますが、初期の状態でまず行うのが食事療法と運動療法です。この食事療法で食べることになる低カロリー食のことを通称糖尿病食と言います。糖尿病食は患者の進行度に合わせて摂取カロリーが決められますので、皆が同じというものでは有りません。糖尿病は完治ということがありませんので、一生この糖尿病食を続けていくことになるため、カロリーを抑えつつおいしいメニューを工夫してください。

糖尿病食の基本は血糖値を下げることおよび合併症を予防することです。このために従来から行われているカロリーを抑えたメニューがあります。しかし諸外国ではこれに加えて糖の元である炭水化物の摂取を抑えるものがあり、最近では日本でも注目され始めた食事療法のメニューです。前者の場合全体のバランスを考えた食事に向いており、減量が必要な人向きです。後者の場合は既にバランスのよい食事を実践している人向けと言えるでしょう。

さらに日本では行われていませんが、他の先進国では炭水化物をさらに血糖値上昇に関与するものとしないものに分けてメニューを考える方法が行われるようになっています。糖に関係する炭水化物を制限する大変合理的な方法と言えるでしょう。早く日本でも紹介してもらいたいものです。どの方法を用いたメニューが良いかは個々の患者により違いますので、糖尿病食を考える場合には良く医師に相談して無理の無い方法で行うようにしてください。

カロリーを抑えた糖尿病食を作る場合、いちいち食品のカロリー値を調べて計算するのは大変なので、従来から食品交換表と言うものが用意されており計算し易くなっています。この表では80カロリーを1単位と定義して、食品を6つに分けて、それぞれから摂取カロリー分を選んで栄養がバランスを保つように工夫されています。しかし馴れない内はこれでも面倒なのは言うまでも無く、なかなかおいしさまで考えたメニューを作るのは難しい作業になります。

しかし最近では、インターネットの発達で、いろいろと工夫されおいしいメニューが公開されるようになって、誰もがこういったメニューを共有できるようになり、状況は変ってきました。また糖尿病患者の増加に伴って、糖尿病食の宅配をしてくれる業者も増えてきており、多少お金がかかりますが、こういうものを利用すれば独身であっても、食事療法は難しいことでは無くなりつつあります。あとは量的な物足りなさを克服できれば良いわけです。

食事療法の基礎になる食事指示票とは

糖尿病を発症したら一生付き合うのが食事療法と運動療法ですが、食事療法は医師の指示した各患者に合わせた摂取カロリーで行われます。患者はこのカロリーに沿って、食品のカロリーからメニューを決めなければなりません。しかし各食品のカロリーを知っている人はと言えば栄養士とか管理栄養士というような人たちで、一般人が知っていると言うものではありません。そこで考えられたのが食品交換表と単位と言う概念です。これによってカロリー計算とメニュー作りは格段に容易になりました。

まず単位と言うものは80Kcalを1単位とするものです。したがって患者の許容されるカロリーを80で割って許容される単位を計算します。例えば1600Kcalであれば20単位が一日に摂取できる単位になります。次に食品交換表ですが食品を同じような種類毎に6分類に分けて各食品の単位が示されています。メニューを作る際には各分類から単位内の食品を選ぶことにより、栄養の偏りのないメニューを作ることが出来ます。

実際にメニューを作る際には一日3食分が必要になりますので3食分に分け各分類の食品を何単位使うかと言う指示が、食事療法を始める前に医師から食事指示票として渡されます。この食事指示票に記載された各食事の単位数にしたがって実際の食品を選びメニューを作ります。こういうと簡単にメニューが作れそうですが、食品が決まったからと言ってメニューを思いつくかと言うと、かなり難しいと言わざるを得ません。特に料理の経験が少ない人にとっては厳しいでしょう。

したがって、当初はレシピ本などを利用してメニューを考え、レシピに示されたままに作ってみることを勧めます。馴れてくれば自分なりの工夫を入れていけばよいので、先ずは食事療法を続けていくことが重要だと考えましょう。糖尿病は自覚症状が少ないので、食事療法を続ける動機が希薄になってしまうこともあります。何としても継続できるような工夫が必要です。ですから利用できるものは利用して、楽に実行できるように考えて行きましょう。

食事療法を行うための食事指示票を上手に利用するためには、まず日本糖尿病学界から発行されている食品交換表が必要です。大きい本屋さんに行けば売っていますが、小さい本屋さんでは取り寄せになるので、食事療法を行う場合は、早めに注文しておいてください。あとはレシピ本或いはインターネット上にあるレシピサイトなどで自分の好みで参考になるものを探してください。これで一応食事療法が始められます。分からないことがあった場合にはすぐに病院で相談するようにしましょう。

糖尿病を発症してしまったら糖尿病手帳で病状や治療を記録しよう

病気で病院に行くと、医師が作成するのがカルテで、それを見ればその病院での患者の病歴・治療暦が良く分かります。しかし、糖尿病患者の場合街中で低血糖状態に陥り昏睡状態になったりする場合も有り、緊急の対処方法の指示や、別の病院に運ばれた場合に、自分の病歴や治療暦が分かるものを持っていたほうが安心できます。そこで考えられたのが糖尿病手帳です。

社団法人日本糖尿病協会版が有名で正式には糖尿病健康手帳と呼ばれていましたが、現在は改定されて糖尿病連携手帳と呼ばれます。ただし、病院独自のものや製薬会社が作ったものなど何種類か有ります。

糖尿病手帳は糖尿病と診断された時点で医師から渡される場合が多く無料です。もし渡されなかった場合は、医師に相談するか、社団法人日本糖尿病協会に申込めば送料のみで入手できます。まずはホームページで確認してみてください。低血糖になったことがあったり、ならないまでも薬物療法を行っている人は可能性を排除できませんので、不測の事態を想定しておかなければなりません。是非入手して治療の記録を取り、常に携帯しておくことをお勧めします。

糖尿病手帳には自分の情報、病院と主治医、食事療法の指示カロリーと治療での血糖、HbA1c、コレステロール、中性脂肪などの血液検査の結果や尿糖、ケトンなどの尿検査の結果を記入します。また昏睡状態になったときにブドウ糖を服用させるなどの対処方法も記述されています。この情報とブドウ糖などを実際に持っていれば、不測の事態の場合でも対処してもらえる確率が高くなるでしょう。また病院に運ばれてとしても的確な判断のの役に立つはずです。

最近ではデータをパソコンで管理して、印刷して持ち歩くものや、スマートフォンのアプリが作られて、スマートフォン上で使う物も有ります。ただし、スマートフォンで管理するような場合には、不測の事態が起こったとき、誰もが見られるということにはなりませんから、この場合やはり手帳の形で持つことが、最も原始的ではありますが有効だと考えます。そういうことも考慮に入れて、不測の事態の対応が出来るようにしておけば、自分の使い勝手で選べば良いでしょう。

社団法人日本糖尿病協会のホームページには糖尿病手帳のほか、自分で日々血糖値などを測っている場合の管理に使う自己管理ノートや糖尿病患者であることを示し昏睡状態になったときの対処法を記載した糖尿病患者用IDカード、海外旅行のときのための英文カード(Diabetic Data Book)などが有りますので必要に応じて申込んで利用してください。