糖尿病

早期発見・早期治療が糖尿病治療で最も重要です

糖尿病に限らず、病気を治す上で最も重要なことは早期発見して早期に治療することです。このため通常ちょっとおかしいなと思ったらすぐに病院に行って医師の診断を受けることが重要です。病気ではこのちょっとおかしいと感じることがきわめて重要になります。これを自覚症状と言いますが、糖尿病の場合この自覚症状がほとんど無く、昏睡状態に陥って病院に運ばれて初めて糖尿病だったと言うことが分かると言うようなことも珍しいことでは有りません。

しかし糖尿病患者に聞いてみると大変小さな症状ですが、喉の渇き、多飲・多尿、体重の減少、場合によってはこむら返りなどを感じる場合があったと言っています。こむら返りなどは小さな症状ではないですが、これらが結果的に糖尿病に結びついておらず、医者に行こうと考える理由にはならない所が問題です。今現在、もしこむら返りを起こしたとして何人が医者に行くでしょうか、行ったとしても整形外科で、糖尿病と診断されることはほとんど無いでしょう。

ではどうやって早期発見・早期治療に結びつければよいのでしょう。参考になるのが早期発見に至ったケースの患者です。早期発見に至った理由としては、まず定期健康診断によるものです。次がたまたま他の病気で病院の検査を受けていて、たまたま血糖値がおかしいと言うことが分かり、糖尿病の発症が分かったと言うものです。いずれも検査により早期発見に結びついたものです。したがって今後の早期発見の指針としては、検査の受診率を上げることが重要と言えます。

通常行われていて容易に受けられる検査としては、職場や自治体で年1回実施されている定期健康診断、40歳以上に行われる特定検診(いわゆるメタボ検診)があります。この2つで大部分の人は検査対象になっているはずですが、残念ながら受診率はあまりよく有りません。もし私は検査には行ったことが無いけれども健康だと言う人は、悪いことは言いませんから今年からでも受診してください。検査を受けていて健康と言うのは自慢になりますが、検査を受けていない場合、健康かどうか分からないことになります。

それでもいろいろな理由をつけて受けないのであれば糖尿病の早期発見は期待できません。どうしても嫌だと言う人は検査キットを買って自分で検査をして見ましょう。これで何とも無ければ、来年からは行っても良いかと考える人も多いですから、まずはやってみましょう。とにかく機会がある毎に検査を受けるようにしていれば、自覚症状が無い糖尿病でも、早期発見・早期治療が出来る可能性は非常に高くなります。

糖尿病患者が恐れる糖尿病慢性期合併症とはどんな病気

糖尿病はそれ自体ではなく、高血糖から来る様々な合併症が怖いといわれ、実際糖尿病の治療は如何にして合併症を防ぐかということに力点が置かれています。これ等の合併症は糖尿病を発症してから数年後に発症し糖尿病慢性期合併症と呼ばれています。これらの糖尿病慢性期合併症は場合によっては失明してしまったり、悪くすると命に関わることも珍しく有りません。糖尿病と診断されたのに、放置している人も大勢いますが、そんなことをしていると大変な事になりますよ。

糖尿病慢性期合併症として有名なものに3大合併症と呼ばれるものが有ります。それは糖尿病性神経障害糖尿病性網膜症糖尿病性腎症の3つで重症になるとそれぞれ非常に深刻な症状になります。このほか狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症などの血管合併症、糖尿病性リポイド類壊死症、糖尿病性浮腫性硬化症、環状肉芽腫など多くの皮膚合併症、神経障害性関節症、糖尿病性壊疽などの下肢合併症などが合併症として良く知られています。どれもこれも御免蒙りたいものばかりですね。

糖尿病は初期だけでなく進行してもなかなか自覚症状が出てきません、このため糖尿病と診断される頃には既にいくつかの糖尿病慢性期合併症は発症していると言われています。この場合、まずは医師の指示に従って食事療法や運動療法により血糖値のコントロールを行い正常値に保つことによって、合併症の発症や既に発症している合併症の進行を遅らせなければなりません。自覚症状が無いからといって医師の指示を無視してはいけません。

糖尿病慢性期合併症の怖さは症状だけでは有りません。神経障害を起こしているような場合には痛みを感じなくなり心筋梗塞を起こしても分かりません。こんなことになると訳の分からないうちに心臓をやられて命を失うことになります。つまり症状が別の症状を押さえ込んでしまって、表向き症状が無いように見えても安心していることが出来ないということです。ですから糖尿病は早期発見・早期治療がぜひとも必要な病気だと言えるでしょう。

そこで糖尿病を早期に発見するにはどうするかですが、自覚症状が無い以上、検査によって発見するしかありません。例えば職場や自治体で行う定期健康診断を必ず受診するとか、定期的に人間ドックを行うとか、医療機関にどうしても行きたくない人には、最近では自宅で自分で検査できる検査キットも販売されていますので、先ずはこれで検査してみてもよいでしょう。どのような方法で検査するにしろ、糖尿病の疑いが出てきた場合には、すぐに病院に行って確定診断をしてください。

糖尿病発症と年齢には関係が有るか

糖尿病といえば、メタボ体型になる中年以降のおじさんのイメージがありますが、糖尿病の発症と年齢は関係が有るのでしょうか。主な糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があって、日本ではこれ他の糖尿病の発症割合は1型糖尿病が5%、2型糖尿病が95%となっています。この2種類の糖尿病は同じような症状を呈しますが、発症に至るメカニズムはまったく違うため、別の病気と捉える必要があります。したがって発症年齢も個別に考えなければなりません。

1型糖尿病は別名小児糖尿病と言われ、主な発症年齢は10代と言われています。したがって前記イメージとはまったく違う糖尿病と言えるでしょう。ただし発症は10代以前に起こることも有りますし、20代、30代、場合によっては50代での発症も報告されています。このため1型糖尿病は若年での発症傾向はありますが、中年以降になったとしても安心は出来ないということになります。性別で考えると1型糖尿病の発症率は女性のほうが高いという統計が有ります。

これに対して2型糖尿病では40歳以降が発症年齢の場合が多く、特に男性の場合50歳以降、女性の場合は60歳以降で増加していきます。しかし2型糖尿病は生活習慣病とも言われ、特に食生活の乱れが若年層にまで及んでいる現在では、若年であるにもかかわらず発症する事例が増加傾向にあります。したがって前記のような糖尿病のイメージは現在壊れつつ有ると言っても良いでしょう。このように現在は40歳以上で発症するという傾向にありますが、今や全年齢層で注意が必要と言えるでしょう。

性別で考えると日本においては2型糖尿病は男性のほうが多い傾向になりますが、世界的に見ると女性が多い地域もあって一概には言えないようです。これは生活習慣・環境の違いからきていることが考えられ、日本においても生活習慣・環境が変化していけば、女性の患者が増加することも十分有り得ることです。いずれにしても2型糖尿病は年齢・性別関係なく誰にでも発症の可能性があると考えておくべき病気だと言って良いでしょう。

まさに2型糖尿病は国民病と言っても良く、すべての人が発症に敏感になる必要が有ります。この為には、学齢期の人は年に1~2回程度行われる尿検査の結果に注意すること、社会人になったら職場や自治体で行われる定期健康診断は必ず受診して、尿検査や血液検査を受けておかなければなりません。そんなの受けたことは無いという人は、すぐに人間ドックを受けるなり、自分で検査を行うことが出来る検査キットを使って、まずは検査してみることを勧めます。