糖尿病

絶対必要な定期健康診断の受診

糖尿病に限らず病気と言うものの治療は出来るだけ早期発見して始めることが重要とされていますが、早期発見のためには、怪しい自覚症状を出来るだけ早く捉えてすぐに病院に行くことが必要です。しかし糖尿病は自覚症状に乏しいことで有名で、たとえば昏睡状態に陥って病院に運ばれて初めて糖尿病と分かったとか、合併症の症状が見えてよくよく調べてみると実は糖尿病が引き金を引いていたというようなことは普通に有ります。では、糖尿病を早期に発見するにはどうしたらよいのでしょうか。

病気を発見するには自覚症状を捉えるか、または検査によって発見するかのどちらかです。糖尿病で早期発見に成功した例を調べてみると何らかの機会で血糖値の検査を受けるか、または他の病気の検査を受けて偶然糖尿病が発見された場合です。糖尿病の場合、自覚症状が無い以上、こういった検査で発見するのが現実的です。日本の場合幸い職場や自治体で年1回定期的に健康診断を行っていますので、まずは最低限この定期健康診断を受けることが重要です。

定期健康診断と同時に特定検診(いわゆるメタボ検診)も同時に行われるのが普通ですので、対象となっている人は同時に受けるようにしておきましょう。これらの健康診断には、通常空腹時の血糖値の検査が含まれて居ますので、境界型糖尿病や糖尿病は捉えることが出来ます。怪しい結果が出たらすぐに病院に行って確定診断を受けてください。糖尿病の発症が確認されたら、すぐに治療に入りましょう。毎年やっていれば少なくとも1年以内には発症を確認できます。

私は元来丈夫なので健康診断は必要ないという人は、考えを改めましょう。糖尿病かどうかは分かりませんが、人間何十年も生きていれば誰でもどこかに支障が出てくるものです。それを捉えるのが定期健康診断でこれまでの経験から多くの人が罹り易い病気の検査が選ばれています。これ等の病気に一生罹らない人は稀な存在なのです。自分はその稀な存在だと考えている人は、発症しても自業自得ですが、稀な存在だという自信のない人は、定期健康診断は絶対必要な検査です。

ただし定期健康診断は、言ってみれば必要最小限の検査と言えます。ですから毎年定期健康診断を受けることと、できれば加えて数年に1度でも良いので人間ドックを受けると安心です。人間ドックのメニューにもよりますが定期健康診断では検出が難しい隠れ糖尿病も発見できるはずです。いずれにしてもこれらの検査を利用すれば自覚症状の無い糖尿病を早期発見できるのです。利用しない手は有りません。今まで受けていない人は、ぜひ今年からでも受けるようにしましょう。

こむら返りは糖尿病が引き金になっていることが有ります

多くの人が高校生ぐらいからたまに起こすことがあるこむら返り(有痛性筋痙攣)いわゆる”足がつる”ですが、その痛さに大騒ぎした憶えのある人も多いのではないでしょうか。こむら返りを起こす要因は様々でスポーツで筋肉を使った後とか、人工透析を行っている人などに現れることが多いですが、そのメカニズムについては完全には分かっていません。糖尿病の患者でも繰り返し見られることがあり、痛いだけにつらい症状になっています。

糖尿病の患者では比較的初期に発症し、これが原因で病院に行って糖尿病に罹っていることが判明する場合も有ります。発症の原因としては、糖尿病の3大合併症に数えられている糖尿病性神経障害が関係していると考えられています。つまりこの神経障害によってスポーツの後のように運動で使う神経に何らかの炎症が発生しているのではないかと言うことです。発生時間は大概就寝中で筋肉を使っているときではなく、休ませている間に何らかの刺激をきっかけに発症するようです。

糖尿病患者のうちこむら返りを発症する患者は約35%という調査結果があり、糖尿病患者全員が発症する訳ではありませんが、もしこむら返りを繰り返すようであれば糖尿病も疑われるため、そのまま放置するのではなくて一度病院を受診してみることを勧めます。一過性のものであれば問題は無いのですが、繰り返すと言うことは何らかの未解決の原因があることが予想されますので、原因を特定して治療をしなければ以後続く可能性が高いと考えられます。

この他、やはり3大合併症の1つである糖尿病性腎症が進んで人工透析を行う必要がある場合には、透析中にこむら返りを起こすことが知られています。この原因には様々なことが関連していると考えれます。たとえば急速な除水で脱水状態になると筋肉の細胞が異常に収縮することがあるためです。またカルシウム・イオンの不足や低ナトリウム血症も原因として考えられています。透析だけでもつらいのにこむら返りも発症しては泣きたくなります。すぐに医師に相談してください。

この他にも多くの合併症が有るため、それらが影響していないとはいえません。根本的な対策としては、糖尿病の症状を改善していくしか有りません。食事療法と運動療法によって血糖を正常範囲に保ち、神経障害を起こすような状態にしないことが必要です。糖尿病は残念ながら完治は見込めない病気ですが、正しい治療を続ける事によって、病気とうまく付き合って、なるべくつらい症状が出てこないようにし、快適な生活を送れるようにすることが重要です。

糖尿病3大合併症の1つ糖尿病性網膜症の症状とは

糖尿病の本当の怖さは合併症と言われています。糖尿病の合併症は非常に沢山ありますが、その中でも特に多くの患者が発症し、症状も厄介なものが3大合併症と言われるものです。糖尿病性網膜症もこの3大合併症の1つに数えられており、糖尿病診断時には既に2割の患者が発症していると言われ、糖尿病の発症20年後には60%の患者で発症しています。現在、糖尿病性網膜症は緑内障に次いで失明原因の2位に挙げられていて、その数は年々増加傾向にあります。

糖尿病性網膜症の原因は、糖尿病に伴う血管障害で、網膜への酸素の供給が不足するため、新しい血管をつくるためのホルモンを放出して、血管を作ります。しかしこの新しい血管は非常に脆いためしばしば出血にしてしまうことが有ります。この出血が目に対して良い訳は無く、目に対して様々な悪影響を及ぼすのではないかと考えられています。この目への影響が網膜症に至る仕掛けは残念ながらまだ詳細な解明までには至っていません。

初期の自覚症状はほとんどありませんので、糖尿病と同じく気付かない場合が多く、進行を許してしまいがちです。進行してくると視力の低下が徐々に進み、眼底出血などを起こした場合、急激に視力が落ちることもあります。この他目の中にゴミが浮いていたり蚊が飛んでいるように見える飛蚊症などを起こすことも有ります。更に進行すると網膜剥離などを起こし、最悪の場合失明することになります。また加齢により多くの人が起こす白内障の進行も早くなる傾向が有ります。

糖尿病性網膜症の診断に用いる検査としては目の病気の基本的な検査である眼底検査や新しい血管の確認のためのフルオレセイン蛍光眼底造影等が行われます。もし糖尿病を発症している場合には定期的にこれ等の検査を受ける必要が有ります。これらの検査はなかなか定期健康診断などでは行われませんので、糖尿病を発症していない場合でも、初期症状は糖尿病にも糖尿病性網膜症にも有りませんから、頻繁に行く必要は有りませんが時々眼科で眼底検査を受けておくことを勧めます。

糖尿病性網膜症の治療としては、新しい血管を作り出すのを防ぐため虚血状態になった網膜を焼いてしまうレーザー光凝固術、増殖してしまった組織を切除するための硝子体切除術などがあり、この他にもステロイド療法やVEGF阻害剤の投与などが行われています。いずれも対症療法であるため、最も良いのは糖尿病を早期に発見して、糖尿病性網膜症を発症しないように治療を行うことが重要です。発症してしまったらできるだけ早期に進行を遅らせるようにしなければなりません。

糖尿病3大合併症の1つ糖尿病性神経障害の症状とは
糖尿病3大合併症の1つ糖尿病性腎症の症状とは