糖尿病

糖尿病で手術が必要になる場合とは

糖尿病は血糖値が高くなる病気なので、食事療法や運動療法、薬物療法などはあるけれども、癌のように手術が必要になることは無いと考えている人がいますが、それは大間違いです。確かに糖尿病自体では手術ということにはなりませんが、糖尿病の治療というのは糖尿病を治すためではなくて合併症の発症を防ぐためといわれているのを聞いたことがあると思います。この合併症は実に様々な症状があり、中には手術を要するものもあります。したがって糖尿病で手術ということもあるのです。

手術が必要になる合併症で特に有名なのは糖尿病の3大合併症にも数えられている糖尿病性網膜症です。糖尿病性網膜症は日本人の失明原因の第1位になっている非常に怖い病気です。糖尿病性網膜症の原因は、糖尿病に伴う血管障害で、網膜への酸素の供給が不足するために、新しい血管をつくるためのホルモンを放出して、新しい血管を作ります。しかしこの新しい血管は非常に脆いためしばしば出血し、目に対して様々な悪影響を及ぼすのではないかと考えられています。

初期の自覚症状はほとんどありませんので、糖尿病と同じく気付かない場合が多く、進行を許してしまいがちです。このため糖尿病診断時には既に20%程度の患者が発症しているといわれています。治療としては、新しい血管を作り出すのを防ぐため虚血状態になった網膜を焼いてしまうレーザー光凝固術、増殖してしまった組織を切除するための硝子体切除術などがあり、この他にもステロイド療法やVEGF阻害剤の投与などが行われています。

硝子体は眼の中の空洞を満たす透明物質で、大部分は水ですがヒアルロン酸やコラーゲン線維などを含んでいます。老化してくるとこの水とその他の物が分離して水分が後方に集まり、硝子体は前方移ります。この状態が後部硝子体剥離で通常は60歳ごろに起こります。ところが糖尿病の影響でこの後部硝子体剥離が正常に起こらなくなり様々な病気の原因になります。その1つが糖尿病性網膜症というわけです。そこで考えられたのが正常に起こらないのであれば手術によって後部硝子体剥離を起こしてしまおうということです。

この手術も糖尿病性網膜症が進行してしまうと網膜と硝子体の癒着が強くなってしまって、大変難しいものになりますが、最近では手術方法も大変進歩してきており、重症の場合でも手術できるようになって来ました。ただし、注意が必要なのはこの手術の目的は糖尿病性網膜症の進行を止めるということであって、元の状態に戻る保証は有りません。手術をしたからといって視力が回復するというように過度の期待を持ってはいけません。

糖尿病3大合併症の1つ糖尿病性網膜症の症状とは

糖尿病食の弁当を宅配してくれるサービスとは

糖尿病患者は、医師によって決められた各々の摂取カロリーにしたがった食事療法をしなければなりません。これらの低カロリー食は、俗に糖尿病食などと言われますが、カロリー計算が大変なため、食品交換表と言うものが出来て、メニューを作り易くなりましたが、それでも通常の食事に比べれば、料理に負担がかかるのは間違い有りません。家族が頑張って作っているという人はまだいいですが、家族だって負担は大きいですし、ましてや自分で作るとなるとなかなか続けられるものではありません。

そこで最近になって注目されているのは、糖尿病食のお弁当の宅配サービスです。糖尿病がこれほど広がりを見せていない頃は採算があわなかったことと、宅配サービスが発達していなかったこともあって、考えられないサービスでしたが、流通網の発達で宅配サービスも一般的になり、何よりもありがたくない話ですが糖尿病が国民病と言われるまで広がってしまって、今後も増えていくことが予想されるようになったため、将来的に採算が取れる有望な市場になりました。

家族や自分で作ると、メニューがパターン化したり、カロリー減が優先して味は二の次と言うようなことで食事がなかなか楽しめませんが、こうしたお弁当の宅配は、栄養バランスを考えたメニューつくりも調理も、その道のプロが行いますので、安心して利用できます。こうした宅配には、ご飯まで付いたものやおかずだけのものなど様々なパターンがありますので、自前で用意できないときだけ使うとか、家族を休ませたいときに使うとか、と言うように自分に合った使い方もできます。

自分だけで頑張るとか家族で頑張ると言うのも良いですが、一生付き合っていかなければならない病気ですから、頑張ってばかりではやっていけません。これからは楽して治療する方法も必要なのです。全部を宅配にすることも有りませんが、様々なバラエティのある食事を楽しむためにも、積極的に利用してみてはいかがでしょう。場合によっては病院で相談を受け付けてくれる場合もありますので、一度相談してみてください。

この宅配サービスを行っている業者は沢山有り、お試し板なども利用できますから、いろいろと試してみて気に入った所を選んでみてはいかがでしょうか。ただし、高額と言うわけでは有りませんが、費用がかかりますから食費との兼ね合いで、月に利用する回数を決めるというようにすると良いでしょう、様々利用すれば、糖尿病用の低カロリー食であっても、充実した食生活を楽しめないということでは決して有りません。利用できるものは利用して、食生活を楽しんでください。

糖尿病患者では足を守るためにフットケアと呼ばれる治療が重要です

糖尿病患者は傷の治りが遅いと言われます。たとえば普通の人なら放っておいてもすぐに治ってしまうような傷が、治るどころか徐々に悪化して、そのままにしておくと治療が間に合わず細胞が死に始めて糖尿病性壊疽を起こしてしまい、へたをすると切断なんていう場合も有ります。これを防ぐためには足の状態を神経質と言われるぐらい日々注意しておき、小さな傷や虫刺されのような細かい変化に対しても注意を怠らないフットケアと呼ばれる治療を行う必要があります。

糖尿病患者の場合、血糖値が高い状態が続いているため、白血球の働きが弱くなってしまいます。傷ができた場合の治りが遅いのはこのことが原因です。特に足はぶつけたりする確率が他の部位よりも多く、しかも目の届き難い部位であるため、常に痛み、痒み、むくみ、その他細かい変化など通常は怪我には分類しないような事に気を配り小さい変化のうちに治してしまうことが重要になります。このような傷や怪我に進む前に治療することをフットケアと言います。

ではフットケアをしない場合どのようなことが起こるのでしょうか。まず、足に痒みが出てきたとします。痒みと言うのは、その部分の皮膚あるいはその下に炎症があって、それを知らせるための体からのシグナルです。普通は最初に手で掻きますが、このとき皮膚には小さな掻き傷ができます。健康な人でも掻くのはあまり良いとはいえませんが、糖尿病患者の場合、白血球の働きが弱いために、この傷が更に悪化して、目に見えるような傷に成長します。

通常はそんなことは気にも留めないため、そのままにしておくと傷から細菌の進入を許し、傷は更に拡大していきます。そしてついには傷の部分の細胞が死滅して壊疽になってしまいます。この時点で病院に行かなければ、手遅れで潰瘍になり、更には骨が腐り、最悪足を失うこともあります。このため痒みなどと言っても糖尿病患者には馬鹿にできず、すぐに治療するフットケアが大変重要ということがわかります。自分は大したことはないと思っている人が一番危ないと考えてください。

フットケアでは、このように細かい変化に注意が必要なのはもちろんですが、常に足の清潔を保つようにしたり、怪我を防ぐために靴下を欠かさないこと、つま先が出るようなサンダルなどは止めて、つま先を覆うような靴を履くなど、常に足を保護するという考え方を持つ必要が有ります。もし足の傷の治りが遅いと思ったら、それは糖尿病によるものかもしれません。すぐに病院に行って検査をしてもらいましょう。