糖尿病

糖尿病が進行すると足を切断することになる場合があります

糖尿病には様々な合併症がありますが、その中でも3大合併症と呼ばれる腎臓、神経、網膜に影響を与えるものがよく知られています。これらは体の末端にある微小血管に糖尿病の動脈硬化によって血液が到達しなくなってしまうことから発症するもので、この3つはすべて小血管障害に分類されます。これに対して心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症などを起こすものを大血管障害として分類しています。糖尿病の治療は主にこうした怖い合併症の発症を防ぐために行われるものです。

小血管障害は微小血管にまで血流が到達しないような状態になっており、特に足は位置的な問題から血流が非常に悪くなってしまい、血液が回らず糖尿病性壊疽を起こすことがあります。この糖尿病性壊疽が広がっていくことを防ぐためには足を切断しなければなりません。また血液が回らないまでも量が少なくなるだけで白血球が減少するため、傷などにも弱くちょっとした傷が治らず、傷口から糖尿病性壊疽を起こすことも有ります。

これを防ぐためには、サボる事無く医師の指示した食事療法や運動療法といった糖尿病の治療を行うことが大切になります。血糖値を下げ、動脈硬化が進んでしまうリスクを軽減することが重要です。また傷や虫刺されなどを監視し早めに確実に直すこと、また傷などを負わないように足を保護したりするフットケアと呼ばれる日々の治療が必要になります。足を切断しなければならないことを考えてみてください。食事療法や運動療法、フットケアがどれだけ楽なものか良く理解できると思います。

このように切断しなければならないほどの血管障害を生み出さないためには、なんと言っても早期発見が重要な鍵になります。進行度が初期であれば、膵臓機能もまだかなり回復可能だと考えられますので、これを維持することができます。とにかく発症が確認されたら、自覚症状が無かったとしても、深刻な病気なのだと言うことを自覚して、苦しいとは思いますが治療に励むことが必要です。まちがっても放置などしていてはいけません。

従来糖尿病性壊疽を起こすと足を切断しなければなりませんでしたが、最近ではインターベーション手術と呼ばれる詰まった血管を広げる手術方法が確立され、切断を免れるケースが出てきています。ですからもう諦めたと言うような糖尿病患者の場合でも、足に異常を感じたらできるだけ早く病院に行って診察を受けてください。切らなければならなかった足を守ることができる可能性があります。どんな状況でも最後まで諦める必要は無いのです。

1型糖尿病は2型糖尿病とどこが違うのでしょうか

糖尿病と言うと生活習慣の乱れ等が想像され、贅沢病などと揶揄されることもしばしばありますが、これらのイメージの多くは2型糖尿病というもので、たしかに生活習慣の乱れから肥満(俗に言うメタボ体型)に陥り糖尿病を発症するものです。しかし糖尿病はこれだけでは有りません。2型が有るからには1型も存在します。似たようなものだろうと思っていませんか。これらは表面に現れてくる症状が同じように見えるため糖尿病といわれていますが、実はまったく違う病気と言って良いものなのです。

糖尿病は血液中のインスリンの状態によってブドウ糖の濃度が通常の人に比べて異常に高い値を示す病気です。インスリンは膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞から分泌されますが、1型糖尿病は、このβ細胞が自己免疫の異常が原因で死滅してしまう自己免疫性疾患です。発症のメカニズムは残念ながらまだ正確には解明されておらず、経口血糖降下剤は効果が無いため患者は自身で、インスリン注射を打つしか治療の方法が有りません。

1型は自己抗体が有る場合を1A型、無い場合を1B型として分類していますが、無い場合は本来の意味で自己免疫性疾患とは言えません。このタイプについては未解明の部分が大きく、劇症になる場合も有り、今後の研究が待たれるところです。近年の報告によれば世界的にこの1型糖尿病の発症が増加傾向に有ります。

症状は1型と2型で大きな違いは有りませんが、1型は劇症化する場合があり急性の合併症である糖尿病性昏睡を引き起こし死に至ることも少なく有りません。したがって2型以上に早期発見が重要になります。特に1型の特徴として10代で発症することが多く、この点で1型糖尿病は小児糖尿病と呼ばれる場合があります。糖尿病は中年以上のメタボおじさんだけの病気では有りません。小児と言えども発症の可能性が有るということを忘れてはいけません。

1型糖尿病の治療は、2型糖尿病のような食事療法や運動療法、前記の経口血糖降下剤による薬物治療では効果が有りません。治療の目的はβ細胞の死滅を抑える事ではなくインスリン注射によるインスリンの補給によって糖尿病の合併症の発症を抑えることにあります。

1型糖尿病の初期の自覚症状としては、2型と同じように目立ったものは無く、強いて言えば喉の渇き、多飲・多尿、体重の減少などがあります。発症が小児期であるため本人が気付くことは先ず無いため、親は学校で行われる健康診断や、これ等の信号を見落とす事無く、おかしいと思ったらすぐに病院に行く必要が有ります。

糖尿病で新薬の治験を受けるにはどうすれば良いか

新薬を開発したときに必要になるのが治療の臨床試験と呼ばれるもので略して治験と言われています。これは薬として承認されるステップの1つです。新薬は製薬各社がしのぎを削って開発されていますので、糖尿病患者向けの治験を行うためのボランティア募集も随時行われています。新薬ですから効果が上がるかどうかは保証が有りませんが、無料で行われますので効果が上がれば、医療費の節約になります。また負担軽減費という名目でお金の支給も有ります。

参加を希望する場合にはまず治験ボランティアを仲介している会社のホームページを見ます。様々な治験の情報が掲載されていますので、その中から糖尿病のものを掲載しているページに行きます。治験が一覧で表示されますので、それぞれの募集条件を確認してください。糖尿病の治験ですので、血糖値やヘモグロビンA1cの値がある程度以上高くなければ参加はできません。申込む前に検査データを用意しておくと良いでしょう。

希望する治験があった場合には、申込んでみましょう。申し込みを行うと、説明会への参加などが行われ、血糖値やヘモグロビンA1cの値などを参考にして、申込者が治験の条件を満たしているかどうかを調べて条件が合う場合には、後日その旨連絡があり、治験の詳細が説明されて、合意が得られれば治験を行う医療機関を紹介してくれます。情報は沢山有りますので、自分に合ったものがなくても諦める必要は有りません。暫くすれば合うものが出てくるでしょう。

次に紹介された医療機関から治験の可否を決定するための健康診断の連絡がありますから、連絡にしたがって健康診断を受診してください。後日治験の可否の連絡があります。治験を受ける事になった場合には、概ね長期(例えば半年程度)にわたって行われ、月に1~2回程度(治験により違います)の間通院することになります。余程の事情がない限り途中で止めることは出来ません。治験では新薬を服用しながら医師の診断や検査を受けることになります。

当然ですが参加に当たっては、必ず主治医に相談してからにしてください。自分は構わないと判断しても、いろいろな事情から、別の薬を使うことが難しい場合も考えられますので、主治医の同意が得られないうちは参加は見合わせたほうが賢明です。糖尿病は今後も増加傾向にあるため、効果的な新薬の開発が望まれています。したがって今後も治験の募集は絶えないでしょう。医師とよく話し合った上で積極的に参加してみてください。