糖尿病の治療や検診・診断について

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糖尿病診断に用いられる各種検査

糖尿病に関連した検査は、血糖値関連、インスリン関連、脂質代謝関連、画像診断など多数あります。糖尿病の診断だけであれば血糖値関連の検査で可能ですが、各々の病状や合併症について詳細に診て的確な治療を行うためには様々な検査が必要になります。

血糖値を測定する検査としては、空腹時血糖値検査や随時血糖値検査などの血糖値検査、過去1ヶ月~2ヶ月の血糖値の状態を診るヘモグロビンA1c(HbA1c)検査があります。糖尿病の診断は通常この2つの検査の値から行われます。従来は血液検査としては空腹時が多かったのですが、最近では隠れ糖尿病と言われるものが注目されてきており、この場合空腹時血糖値検査では分からないため、随時血糖値検査として食後の血糖値の変化などを診る場合も有ります。

インスリン関連の検査としては、まずインスリンの分泌能力を表すインスリン分泌指数を計る75g経口ブドウ糖負荷試験、血中Cペプチド検査、尿中Cペプチド検査、グルカゴン負荷試験などがあります。次にインスリンの効きやすさを示すインスリン抵抗性を計る検査としては、やはり75g経口ブドウ糖負荷試験、血中インスリン検査、HOMA-R 検査、グルコースクランプ法検査があります。ただし75g経口ブドウ糖負荷試験は血糖値の高い人にさらに負荷をかけることになるため最近では行われなくなっています。

脂質代謝関連の検査としてはケトン体検査があります。インスリン不足で、ブドウ糖が利用できなくなった時の、脂肪をエネルギーに利用とする場合に生成されるアセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸、アセトンをケトン体と言い、この量を尿検査や血液検査で測定します。1型糖尿病の場合この検査を行うことによりインスリンの不足の有無がわかりインスリン注射の要不要を判断できます。

画像診断は主に合併症の診断に用いられ、たとえば糖尿病性網膜症を診断するために行われるのが眼底検査で、糖尿病発症後20年で1型で100%、2型で60%が糖尿病性網膜症を発症するため、定期的に眼底検査を行う必要があります。また糖尿病性腎症の診断には腎臓の変形を診断するための超音波検査が行われます。

このほかにも、様々な検査が行われて、新しい検査の導入も進んでいます。検査を有効に利用するためには定期的に受診して変化を記録していくことが重要です。毎年定期健康診断を受けて血液検査を行っていれば、たとえ糖尿病を発症してしまったとしても、早期に発見することができますので、早いうちに治療を行えば合併症などを発症してしまう前に血糖値のコントロールができるようになります。健康診断を受けたことが無いという人は今年からでも受けるようにしてください。

血糖降下剤を使った糖尿病の薬物療法

糖尿病の治療は合併症の原因となる高血糖状態を改善することが主な目的になります。このため糖尿病を発症するとまず行われるのが食事療法と運動療法です。つまり摂取カロリーを減らし、消費カロリーを増やすと言うわけです。早期に発見された場合は通常これだけで十分血糖値をコントロールすることが出来ます。しかし油断すると症状が進行してしまい高血糖をコントロールすることが難しくなっていきます。こうなってしまうと、もはや薬剤に頼るしか有りません。

薬剤も進行度によって段階がありますが最初の段階は経口の血糖降下剤を使う方法です。経口血糖降下剤には大きく分けて6種類があります。1つ目は膵臓のβ細胞に作用してインスリンの分泌を促すSU薬、2つ目は肝臓での糖生成を抑止し、体にある糖の利用を促すBG薬、3つ目はでんぷんや糖分の吸収を遅らせ高血糖状態になることを回避するα-グルコシダーゼ阻害薬、4つ目はSU薬と同じくβ細胞に作用してインスリンの分泌を促す薬でさらに即効性がある速効型インスリン分泌促進薬。

5つ目はインスリンの分泌を促すインクレチンというホルモンの分泌を促すDPP-4阻害薬。最後の6つ目は肥満などによってインスリンに対する体の抵抗が強くなってインスリンが利きにくくなった状態を改善するインスリン抵抗性改善薬です。これらの薬を各患者の症状に応じて使うことになります。これらの6つの種類の薬には様々なものがありますので、自分の使っている薬がどういうものなのか一度説明を受けてみることをお勧めします。

ただし薬物療法を始めたからと言って、食事療法と運動療法を止めて良いということでは有りません。あくまで基本はこの2つであることを忘れてはいけません。薬物療法は一度始めてしまうと、一生行わなければならないと良く言われますが、食事療法と運動療法、薬物療法をしっかり行って、血糖値に改善が見られる場合には、薬物は止めて食事療法と運動療法だけに戻せることもあります。まずは根気良く治療を続けることが重要です。

薬物療法を始めなければならないと言うことは、それなりに糖尿病が進行していると言うことです。自覚症状が無くても様々な合併症を発症している可能性も有ります。したがって、自覚症状が無いからと言って、医師の指示する治療を疎かにすると、合併症は牙を剥き取り返しのつかない事態になりかねないと言う危機感を持たなければなりません。頑張り過ぎる必要は有りませんが、油断していると命取りになってしまいます。

糖尿病の基本治療である食事療法とは
糖尿病の基本治療である運動療法とは
インスリン注射を使った糖尿病の薬物療法

HbA1cでなぜ過去の血糖値が分かるのか

糖尿病の診断では従来血糖値が使われていましたが、最近はHbA1c(ヘモグロビンA1c)と呼ばれるものも診断基準として利用されるようになりました。このHbA1cで過去1ヶ月から2ヶ月の血糖値を見ることが出来るからです。ことため現時点の血糖値が基準以内でもHbA1cの値によって実は高血糖に時期があるということが分かり、糖尿病患者である可能性が否定できなくなります。HbA1cを利用することで糖尿病患者を見逃さないように出来るというわけです。

血液中のヘモグロビンは血液中のブドウ糖と結合する性質があります。このブドウ糖と結合したヘモグロビンがHbA1cです。このヘモグロビンはブドウ糖が多ければ多いほど結合が進みますので、この濃度を測定すれば血糖値と同じようにブドウ糖の量が分かると言うことになります。つまりこの濃度が血糖値と関係するということです。そこに目をつけて糖尿病の指標として使うわけですが、日本では1999年から使われ始め2010年からは本格的に使われるようになりました。

このHbA1cの特徴は前記のように過去1ヶ月から2ヶ月の血糖値を反映していることですが、なぜ過去の状況が分かるのでしょうか。これにはヘモグロビンの性質が関係しています。ヘボグロビンにも寿命というものが有ります。概ね4ヶ月ぐらいですべて入れ替わるとされていますが、全部がいっせいに死んでしまうわけではなくだいたい半減するのが1ヶ月から2ヶ月とされているため、この時期以降の過去データが保存されているとして計算出来るのです。

HbA1cは現在では糖尿病の確定診断を行う際の重要な判断材料として利用されています。確定診断では血糖値との併用が行われますが、HbA1cが6.5%を超えた場合には要注意と言うことになります。ただし欧米での基準と従来日本で使われていた基準では0.4%の開きがあり、確定診断では欧米基準を使うことになっていますが、特定検診(いわゆるメタボ検診)では従来の日本基準を使うことになっています。なぜ統一しないのかはなはだ疑問です。

健康診断では様々な数値が並んでいますが、診断結果を貰っても、どの数値が何を示しているのかと言うことが分かるものは少ないのではないでしょうか。HbA1cもその1つで過去の血糖値を表していると言われても、今ひとつ分かり難いものです。医師の説明は大概は異常値を示したもののみで、しかも数値自体の意味する所を説明してくれるわけでも有りません。ですから、患者のほうも分からない所は、遠慮無く聞いてみるとか、自分で調べてみるとかが必要なのでは無いでしょうか。

糖尿病の主な検査にはどのようなものが有るのか
糖尿病はどのように確定診断が下されるのか

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